KFY-OP北深谷病院 第一病棟・第二病棟2012年

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利根川流域の関東平野の平坦な土地、深谷葱の産地でも知られている深谷市の群馬県との県境北深谷に40年来続く精神科病院の建て替え計画です。

病院自体は外来と3つの病棟からなりそれぞれが60床の看護単位から成立、入院施設を抱えている病院の建て替え計画なので一度にそれを進めるのは難しく3つの病棟及び外来を動かしながらの計画となりました。

まず最初の計画では第三病棟を残した状態で隣接する土地を新たに購入し、そこに管理部門を含む外来と第一、第二病棟を増築しそこをあらたな北深谷病院の核にしようと試みたものです。というのもその周囲を殆ど平坦な畑に囲まれたこの施設は同時に車によるアクセスも多方向から生じファサードとしての方向性に欠け外来を含めた様々な利用者、病院職員、その他この地域に生活する人達の領域が非常に分かりにくいものとなっていました。

調剤薬局を含めた大きな意味でのY字路に計画されるこの建物はその双方の道路からも反対側にアクセスできるアクセス通路を設けることにより病院の外側と内側を穏やかに区切り病院内の領域を確保することが出来ました。同時にそのアクセスは第一第二病棟と直行する軸でありその軸の延長線上には道路を跨いだ隣接地まで抜ける抜け感を持って建物に深みを与えようとしたものです。

建物と直行するアクセス通路はヨーロッパの内側に開いたアパートメントの作り方に近く、しかもそれがその中庭を通り抜けることにより開放的な内側が演出されればと考えました。精神科病院としての特殊な位置づけが城壁に囲まれた楽園、もしくは城壁に守られている楽園という姿が映し出せないかと考えました。

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