KMD-A亀戸の事務所兼集合住宅2000年

KMD-A

江東区亀戸にある三つ目通りから少し入った所にある大阪本社の建材メーカーの東京支店とそれに併設した賃貸用ワンルームマンションの計画です。床板、壁にいたる全ての構造体をPC(プレストレス・コンクリート)で製作したフルPCによる建物。1階が機械式駐車場、2階がオフィススペースのため低層部は無柱空間が求められ、一方で高層部に間仕切り壁が多いといった構造的には大変不利な形状をとります。間口方向が約12mであるため一般的なRCで設計すると梁の成が1m近くになり上記1,2階部分が事実上成立しません。また柱をもう一列入れると2階の事務室が使えなくなる、という条件。PC化により全体の剛性を高め、梁を設けないスラブ緊張による構成でぎりぎりの階高による、容積率目一杯の面積を確保する事が出来たと言えます。

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本計画ではこの様な構造的な環境が非常に不利な状況をPCによるラーメン構造にする事により柔軟に解決できたと考えています。更に柱形状はL型で肉厚を薄く押さえ一見壁式の構成による印象を与えます。この様な壁と床の組み合わせによる様な形状を特に北側ファサードで試みました。
敷地形状と経済性の求める最も効率的な、また具現化にあたっては非効率な計画をスレンダーな構造体で解決し、その組立の工程から完成までを含めた全ての要素をストイックに収束させた結果と言えます。

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事務所スペースのエントランスホール。エントランスホールはこの様に巨大な階段室として吹き抜け、全面ガラス張りの打ち合わせスペースがその吹き抜けに面します。

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事務所スペースのエントランスホール2階に上がって振り返った様子。左側が全面ガラス張りの打ち合わせコーナーです。

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GRC(ガラス繊維で補強されたコンクリート)による階段段板。鉄筋ではなくガラス繊維を使っているため強度に優れ、この様に薄い(先端で15mm)の段板を作ることが出来ます。

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基準階の廊下の様子。中廊下の壁、天井は全てPCあらわしの状態。天井面は特に「梁」を設けず、連続する小梁で水平方向の剛性を高めた一体スラブとして解いています。PCならではの綺麗な天井及び完璧なフラット面の撮れる壁板。

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住居部のエントランスホール。ここも連続する小針による一体型スラブがそのまま内部に連続していきます。立体駐車の関係でここの天井高は3.5mになります。

左:上:住戸内の様子。住戸の天井も全てPC顕しの天井になります。床のフローリングをPCの躯体から100mmあげてその間で配線配管の取り廻しを行っています。結果としての天井面はこの様に連続するリブだけで構成される綺麗な形になります。

右:下:最上階の住戸の様子。他のフロアに比べるとやや大きめの部屋になります。天井面の連続するリブは同じ。