これから家を建てようと思っている方へ

はじめに

その殆どの方が「設計を依頼する」という行為がはじめての経験だと思います。もちろん、これまで何らかの形で設計事務所に仕事を依頼した事があったとしても、いざ自分の家となるとそんなに経験があるものではありません。
一方私達の方から見ると、設計事務所に住宅を依頼される方は大別して次の様な方達であると言うことができます。

1. 当初はハウスメーカーを考えていたが、いまひとつ自分では気に入らない。自分には自分の「こだわり」がある。それは系統立てて説明できるものではないが、その「こだわり」とハウスメーカーのモノはどうやら明らかに違う気がする。言うならば自分の「こだわり」をそう簡単には捨てたくない。

2. 土地があまりにもイレギュラーな形状でハウスメーカーのバリエーションをもってしても、なおその土地にははまらない。

3. ハウスメーカーのパターンにはない特殊な希望があり「そんなことは出来ない」と無碍に断られてしまった。

一般的には「戸建て住宅」を考える場合、まず住宅メーカーの商品を比較します。例えば展示場を訪ねる、カタログを比較する、知人に紹介してもらう等々。そこで大概の方はそのまま商談が進みますが、上記理由で今ひとつしっくりこなかった方。
やはり住宅は「買うモノ」ではなく「作るモノ」!という武者震いにも似た何か強烈に自分の背中を押すものを感じながら、今度は設計事務所を考えます。前述したように、もともとハウスメーカーは考えずに建物を建てるのであれば、当然設計事務所に依頼するものと思っておられる方も多くいらっしゃいます。ある意味では正解です。またある意味では不正解です。その答えはやってみなければ出ません。「設計事務所に依頼したおかげでとんでもない変な建物に住むことになってしまった・・」という方の話、よく聞きます。理由を書くときりがないのでここでは割愛します。しかし概して非は設計事務所にある、と私は思います。もちろん大変ハッピーな方、この数も半端ではありません。「これだけの予算でもってよくこれだけの住宅を・・」それだけ設計事務所選びは重要なのです。
今は10年前と違ってインターネットがあります。いろんな事務所に声を掛けてみて、実際会ってみて「自分のこだわりの実現」を実行していくのがよいでしょう。
たまたま、その様なルートで何人かの設計事務所に声を掛けられ、結局私達でやらせていただく事になった方かいらっしゃって、その方とは今でもいいおつきあいをさせていただいてますが、その方の言われる「設計事務所の選別」がこれまた大変面白かったそうで、本が一冊書けそうな物語が生まれたそうです。機を見て一筆お願いして、ここからリンクを貼れればな、と思っています。

 

設計事務所を決める

何人かの設計事務所と実際に会ってみたら、そこでは

・敷地概要(敷地図、住所)
・家族構成
・自分のこだわり
・予算

を与条件として伝え、平面図、模型、パース等のなんでもいいですからそこの事務所の「プロポーザル(提案)」を呈示してもらってください。その後の決め方は自由です。同業者としてはそれ以上はちょっと言いにくいのが実際のところ。ご自身で「こだわり」を実現できるパートナーか否かを決められてください。

ご用意いただくもの

設計事務所を選定する段階で、その殆どが前述プロポーザル(提案)形式になりますのでおおよその概要はその時点で相手に伝わってます。そういったプロセスを経ないで依頼するケースもありますのでそれも踏まえた上で最初に依頼するときに最低限必要な資料としては下記のものがあります。

 

・敷地図(土地測量図があればベストです)
・家族構成
・おおまかな総予算
・特別にやりたい事(例えばペットを大事にしてる、陶芸をしている等々)
・自分の「こだわり」(「こだわり」がない人はそれが「こだわり」だと思って下さい )

予算について

私達が建築主の方とお会いして、最初によく聞かれる話として「設計料はどれくらいですか?」という内容があります。これに対しては明確な答えは持っていません。正直申し上げると、・・わかりません。いつまでたってもこれは謎です。どれくらいが適正なのかさっぱりわかりません。
それよりか私としては建築主の方に持っていただきたい予算のイメージは「総予算」です。総予算の構成は

 

・工事費
・設計費
・杭又は地盤改良費(土地の地盤が軟弱でそのまま建築できな「場合)
・各種調査費(測量、地盤調査、等)
・官庁申請費(これは、知れてます)
・水道、ガス、下水引き込み負担金(状況により異なります)
・住宅取得税
・土地取得税(土地から購入した場合)
・解体費用(そこに前の建物が建っている場合)
・式典費用(竣工式の費用)
・移転費用(引っ越し等)
・消費税

となります。地盤の状況、各種調査云々、更地になっている等でこれらの費用は大きく上下します。そういう意味で「設計料」だけを心配するのは意味があまりなく、逆にそれしか心配していない方は他の数字が見えてない場合が多くそっちの方が心配です。
さらに言えば予算は当然払う金額だから「税込み」なわけです。一方かかる金額は通常「税別」で言われます。特にこういったおおがかりな消費を起こす場合、消費税は重くのしかかります。

ここでおおまかな予算の立て方について。
よく雑誌等に出ている坪あたりの価格、これを元に工事費を推定してみてください。大体自分が欲しい家は何坪程度なのかを漠然と想像されてください。それを元に

建坪×面積

で工事費が推定できます。
工事費が出たら、その値段に20%すなわち1.2を乗じた数字が総予算(税別)。さらにそこに消費税を乗じた数字が支払うべき金額です。これを予算として大体頭に入れ、前述の各種項目を設計事務所と相談しながら潰していけばいいと思います。そうすると自ずと設計料も見えてきます。これは別に引き算で決めるモノではないのですが、設計料がONされる心配より、総予算を抑えた安心感の方が先行するはずです。

ここまで来れば建てたい家のサイズ、敷地、設計者、おおよそのイメージも決まったも同然です。この先を進めていくにあたり、設計事務所側では作業コストが発生します。(逆に言えばそこまでは通常発生しません)それを踏まえた上で私達のケースで申し上げますと、その段階で設計契約をさせていただくのが普通です。