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長岡市の駅前メインストリートから一歩入った中心部に100年以上前からこの地に続く医院そしてその住宅部分のスケルトンリフォームの計画です。

RCラーメンによる3階建てのこの建物は1階を外科医院、2,3階を住居として使用されてきました。しかし竣工して早々に父上である先代の院長が亡くなったためその後長い期間に渡って医院部分は閉鎖され、その2,3階だけが住居として細々と利用され続けてきました。この度、その子息、草間昭夫氏が市内の日赤病院を退職し開業することになり、その医院部分を完全にやり替え新たな医院としてリスタートをかけるため全面改装に踏み切る運びとなりました。

医療関係の設備機器、それに伴うインフラ設備、医院建築としてのありかた、更には地域医療を取り巻く周辺の環境、こういったものの変化がおおよそ40年前の状態をリニューアルして復刻させるにはあまりにもその乖離が大きいため、限られたスペースのなかでそこを有効に利用しながら構造体以外は殆どゼロからのリノベーションとしてまるでリセットを行うかの様に計画が進められました。

構造躯体はRCであり、先代が計画していた上階に向けての増築の予定が盛り込まれていたためそのメンバーは比較的頑強であり、その柱梁のフレームを生かし、更に耐震壁となる壁を不足箇所に加え、全体のバランスを保ちながら構造計画を進めました。また北側の空地ぎりぎりまで増築も行い、出来うる限りのスペースを1階部分に確保しようと試みました。

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全体を覆う外壁面にエントランスホールに続く面は浮かせる様に配置され、その全てが矩形で認識される「面」による構成となっています。更にそのエントランスホールに連続する壁面は地上面から浮かせる形で内部に連続させます。内部のメインフレームと天井スラブ面に皮膜が柔らかく覆う形を試みました。

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医院入り口を外から見た様子。右側はアプローチの導入部分、そのまま建物の反対側に抜ける形で存在します。風除室を経て左に曲がったところが医院玄関になります。

5499エントランスの天井は、壁を仕切る建具の上端からそのまま繋がり黒に近いグレーで塗装されています。
「闇」を白い壁が切り抜く様子。

5514天井を見上げた様子。梁、柱頭部を露出させ天井スラブ面と同色に黒系の色で塗装されています。
白-黒の構成は医院の待合室としては新しい試みです。その白-黒に薄い暖色系の要素が入り、更には床面の色と待合室の家具、照明の色温度が加わりnegativeな空気を一掃します。黒い天井は「黒」と言うより「上方に向かって抜ける」雰囲気を目指しました。

5537待合いスペースを斜めから見た様子。正面の壁は男女トイレの間仕切りです。間仕切りの上部欄間は透明ガラスで仕切られているため天井がそのまま伸びていく形に見えます。

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