SZK-C

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この住宅には大小3つの中庭があります。全体をコンクリートの壁で囲い、その壁を構造体の一部として建物全体を構成し、さらにその内部に住宅としての要素を展開。中庭は必然的に採光のための空隙となります。都市型住宅の典型的なスタイル、外に閉じて内側に開くという構成。ここで紹介するのはその中で一番大きな中庭。建物の真ん中にある、と言うより建物を二分する位置にあると言う方が近いかもしれません。
一般的に建築はその外に対して開く形は自ずと制限を受けます。プライバシーしかり、防犯上の問題しかり。しかしその「外」が中庭である場合はその様相は様変わりします。内部的に必要と考えられる開口を十分にとり、一方で構造的に必要な壁をある程度集約し、必要なものだけが最低限に存在するミニマルな構成を自然にとることが出来ます。「外」に対しての遠慮が一切ない自然に晒す姿はそこでは得られます。

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中庭により建物が二分されると言うことは同時にその大きな中庭を挟んで二棟の建物が対峙する形と同じです。その二棟がそれぞれの独立住居ではなく生活パターンとしてのパブリックとプライベートの分離を中庭を介して行ってると言えます。建弊率が低いいわゆる高級住宅地でそれを展開する場合、その建弊率をかせぐ
空隙部分はその殆どを中庭が担うのが実情です。囲まれた世界に展開される建物、更にその建物と建物に囲われる中庭。ただのスクエアなスペースもこういった二重の要素で挟まれると違った空間として自立するかに見えます。

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この中庭は庭とは言いながらも土はなく床は全てウッドデッキで構成されています。更にそのウッドデッキが一部室内にも入り込み上下足の履き替えエリアをファジーに構成しようとしています。この家は完全なバリアフリーで床に一切の段差がないため下足を履き替える明確なゾーンがありません。そのあいまいなゾーンをここでは中庭から延長されたウッドデッキが担っています。言い換えれば室内の床がそのまま延長して中庭の床を構成する仕組み、とも言えます。

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中庭を介して二つの棟が対峙する様子。この位置からはこのような見え方をしますが屋根のPCリブが同じ形状で繰り返し連続するので片方に立ち向かいを見るとその連続性が中庭で一時的に遮断されるかにも見えます。

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