MMP-C

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JR新橋駅から山手線の内側、日比谷通りを挟んだ場所にあるこの場所は静かなオフィス街、平日も夕方からは住宅地並みに静寂さが漂う都心にあっては珍しい落ち着いたエリアです。一方丸の内、銀座、六本木にも近く、日常的に都心でのあらゆる利便性に応えた地域です。 その西新橋で2年後に都市公園として計画されている桜の名所としても知られる景勝の地を前に計画された住宅。必然的に都市型住宅。その都市型住宅の新しい試みとして全ての構造体をプレストレストコンクリート(以下、PC)で計画された300年住宅の建物の紹介です。

PCであるが故に可能となった「隣地境界ぎりぎり」の建て方。地上、地下の有効活用、短工期、等々、都心に於ける建築設計計画上の様々な問題点をカバーして行くべく企画されました。

また、特筆すべき点として、この住宅はハウスメーカーである三田ハウジング、PCメーカーのオリエンタル建設、雑誌Memo「男の部屋」によるコラボレーションとしての未来型住宅プロジェクトでもあります。フルPCによる建て売り住宅という前例のない商品をメディアを媒体にしながら、その製作工程、工事工程を打ち出し、多くの協賛企業のご協力を得て実行されました。

 

写真は夜間、全ての部屋のブラインドを開け放った様子。工場生産によるPCの連続するリブによる構造体の構成が最もわかりやすい形です。またこの面は建物にとって南側になるので住宅の居室はこの様に全て南面に直面する形で配置されます。

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同じ位置で夜間、ブラインドを閉めた状態。ブラインドはダブルスキンで構成されこの様に室内の灯りを柔らかく均質に外部に向けます。PC及びアルミカーテンウォールで構成された直線的な枠組みに囲われながら、逆にそれらを包み込む様に柔らかく存在します。アルミカーテンウォール部分のガラスは旭硝子のファイアーテンパを使用。網の入らない透明ガラスを使用しています。

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階段室を見上げた様子。この階段室は外部階段として存在します。段板は全てグレーチング。ささら桁は各階のスラブから持ち出す形でトラス状に構成、鋼材は全て丸棒12Φを溶接で組立て。全体の構成は極限まで「軽く」。その軽い階段の先端部分である「踊り場」は空中に置かれた形。

night_04階段室を少し離れて水平に見た様子。トラス階段としての構成がよくわかる見え方です。同時に、この階段室を囲う形で存在する強化ガラスの外壁は各フロアにある鋼材により二辺支持で持たされます。その鋼材は最上階の鉄骨フレームよりタイロッドにより吊り下げ。その鉄骨フレームは本体PCより同じく吊り下げられ、鉄骨フレームにはガラスを乗せることにより、完全にガラスの箱と化した階段室になります。

night_05階段部分をアップにした状態。

night_01_300少し引いた位置からの建物全景。連続するリブによるPCで構成された建物とその外壁に沿うように存在感を出さない階段及び階段室の様子。都市型住宅としての一つの提案です。